マスクのはなし。

マスクが店から消えて以来、私はマスクをしていない。
ないもんをつけられないのだからしょうがない。
WHOがなんか言ってたけど、マスクがないからつけてないだけで何だかマスクと程遠い存在になりつつある。
ンなわけねえか。

というか、私はもともとマスクが嫌いな人種である。
感染だなんだと言われて3日は我慢してつけるが、4日目からつけなくなる。
流石に風邪をひいていたらやるけど。 
眼鏡が曇るのがやってられない。眼鏡が曇るのがいやでラーメンもあまり食べないぐらい眼鏡が曇るのがいやだ。

で、まあ、今朝である。
出勤し、ぎりぎりタイムカードを押した赤野へ、上司が話しかけてくる。

「赤野さん、これから行く○○さんちに『マスクして』言われるかも」
「へゃあ」

朝が弱いのに朝送迎をしてるだけでもしんどいのに、さらに保護者との攻防戦をしなきゃならんのか。しんどい。
マスクが品薄な中でそれはキツイよぉ…という話に持っていけばいいのだがいかんせん赤野はコミュ障である。
特技ごまかし笑いが効かない相手だと普通に負ける。

「いけますかね…」
「上司に話してって言えばいいよ」

コミュ障だからその話までこぎつけるかな。
あまりコミュ障を舐めないでほしい。あまりつつかれると死ぬ。
どうしよう…とドライバーさんと合流して送迎スタート。
さて○○さんちである。

「おはようございまーす」
「おはようございまーす」

何も言われなかった。というかマスクしてなかった。
なんで…なんだ……? 
そんな混乱とともに、不安は肩透かしに終わったのだ…。
コミュ障だからそういうの心臓に悪い。